CG-Tips

□Photoshopで線画を描く(2003-02-16)

Photoshopのブラシで直接線画を描画することはかなり難しいです。というのは、PhotoshopはPainterのように画像の回転が出来ない上に、タブレットの”ぶれ”を修正する機能※1がないからです。
そこで、Photoshopで線画を描く場合、パスツールの利用が考えられます。

⇒ パス線画を作成 ⇒

この手法の長所は、線画のクオリティが段違いに良いことです。線画の元になるデータがベクトルなので、何倍に解像度を上げようと、劣化することがありません。

手順としては、このようになります。

これがパスを引いた状態です。
⇒サンプル
適当なブラシを選択し、描画します。

これだけでも(色の境界としての線画としては)いいのですが、強弱がありません。
⇒サンプル

そこで、これに強弱をつけます。

線画の描画部分の選択範囲を取得します。
選択範囲からパスを作成します。
この形は、許容値を変えることで結構変わります。(許容値を大きくするとアバウトに、小さくすると細かくアンカーを刻んでいきます)
画像解像度を大きく取ったほうが綺麗に出来ます(完成時の4倍以上)
⇒サンプル
パスを修正します。
これが(特にパスの扱いに慣れていない場合は)非常に時間がかかる作業です。
⇒サンプル
塗りつぶし、完成です。

以上のように、一見便利そうなパス線画なのですが、私は現在使うのを止めています。完成のために払う代償(=時間)が大きすぎるなど、もろもろの理由(※2)のためです。

パスは道具として便利ですが、線画には向かないようです。

 


[注釈1]...タブレットの入力は、ある程度”ぶれ”が入ってしまい、まっすぐな線が引けません(磁気の影響、タブレット自体の感度の問題などが原因)。Painterはこのぶれを自動的に緩和する機能があると言われていますが、Photoshopはぶれも正確に入力値として扱ってしまいます。
ここらへん、(アバウトな)ペイントソフトとしてのpainterと、(生真面目な)フォトレタッチソフトとしてのPhotoshopの性格の違いを垣間見るような気がします。本文へ

[注釈2]...パス線画のまずいところは、時間がかかること、線の勢いが死ぬこと、絵を描いている気分がしないこと、などがあげられます。長所もあるのですが、以上の短所にウェイトがありすぎて断念しました。本文へ


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